20257/24THU

本日開館

願成寺薬師如来坐像がんじょうじやくしにょらいざぞう

基本情報

作成者-
制作年-
文化財種別彫刻
所蔵先願成寺
法量-
文化財指定京都府指定文化財(彫刻)

内刳なしの一木造、漆箔仕上の薬師如来坐像は、衲衣を偏袒右肩に纏い、右手で施無畏印を結び、左手掌上に薬壷を乗せ、左足を前にして結跏趺坐している 衣は、非常に厚みをもたせ、どっしりとした量感があり、迫力をもった造形となっている。 衲衣以外の大部分の衣文線を省略する表現や両手を前に差し出す形の薬師如来像は、八世紀末の造像とされる国宝の神護寺薬師如来立像を始めとする平安初期如来像にみられる。この薬師像は、薬師悔過の本尊として、祈雨法や止雨法の本尊として、大井川に引っ張り出す荒々しい行法が行われたとの伝承を持つ並河薬師として信仰されてきたものであり、平安時代初期の薬師信仰との関わりを示す貴重な仏像である。 なお、本像の光背も像造当初のものが伝来している。頭光の中心におかれた八葉蓮華とその周辺部には漆箔仕上げの連珠文帯とその外側に列弁文の圏帯部がおかれ、その間に極彩色の法相華文が描かれていた。

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