202510/7TUE
本日開館
右手を屈臂して施無畏印を結び、左手は膝上で薬壺をもち、左足を前に結跏趺坐する薬師如来坐像は、ヒノキの竪一材から彫出し、割り放って内刳を施す一木割矧造、漆箔仕上げの像である。瞑想的な目鼻立ちと頬がまるく張った円満な顔、控えめな肉付きの体躯、平行に整えられた浅い彫りの衣文からは、平安時代後期の定朝様に則った温雅な雰囲気を示している。その中でもかなり強い伏し目になっていることや、大きな輪郭を描く撫で肩の表現、膝の厚みが薄いことなどから、12世紀の造像と考えられる。
右手を屈臂して施無畏印を結び、左手は膝上で薬壺をもち、左足を前に結跏趺坐する薬師如来坐像は、ヒノキの竪一材から彫出し、割り放って内刳を施す一木割矧造、漆箔仕上げの像である。瞑想的な目鼻立ちと頬がまるく張った円満な顔、控えめな肉付きの体躯、平行に整えられた浅い彫りの衣文からは、平安時代後期の定朝様に則った温雅な雰囲気を示している。その中でもかなり強い伏し目になっていることや、大きな輪郭を描く撫で肩の表現、膝の厚みが薄いことなどから、12世紀の造像と考えられる。